一般社団法人 岐阜県林業経営者協会

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2012年12月号

経営計画作成、その先に差し込む一筋の光明   古川昌樹のぼやき

経営計画の不安と希望

平成25年度補助金を対象としたヒアリングが、平成251月に行われるため、県下の補助金申請者の経営計画作成が急がれている。当家では、森林施業計画からの継続性確保のため、平成245月下旬に経営計画の認定が下りるよう今年の早い時期に作成した。

過去施業のデータのリスト化・図面化に始まり、長期的目標を見据えた5カ年の施業計画、森林経営計画の様式入力完了まで1カ月半をかけた。同計画の作成を通じて計画作成中の方々と同じ不安を覚えたこともあり、またその先に専業林家の目線から希望を感じている。

目の前の大きな壁

経営計画を立てる事により時間的コストのアップ・ロスが発生させることであり、その結果搬出が高コストとなる山林の放置・荒廃が今以上に加速する事である。

現在、当山林における現場では、作業を簡素化するため、路網を高規格化して架線集材距離を短くし生産性を検討しながら施業している。しかし、今年の森林経営計画作成・運用の事務コストのアップ・ロスのため現場作業にまで支障をきたした。実際に事務作業をする者として森林経営計画を見ると、ただただ事務が煩雑で厄介なものという以外ない。

違った角度から見る景色

見る角度を変え、100年先を見据えた超長期的な計画を行う専業林家の経営者の目線から見るならば、出来上がった経営計画はこれからの経営において確固たる情報武装となるだろう。すべての山を頭の中で計画する専業林家にとって、情報をデータ・図面によりデジタル化したことにより、若い作業員との情報・意識の共有が容易になった。さらに、一カ月半という膨大な時間を費やし、馬鹿正直だといわれるほど林小班データを現状に近づけた結果、搬出される材積が経営計画に近くなり、予測される収入と実際の収入の誤差が少なくなった。収入の正確な予測は、キャッシュフロー、労務を安定化に回すことに繋がり、また計画通りの施業を行える、正循環が起こることを期待して。

山づくりを継続して行うために

森林経営計画作成を山の施業に例えるならば、皆が嫌煙するという意味で「植栽」と言える。さらに、財産を次代へつないでいく行いという意味でも同義である。

つまり、やっと馴染んできた森林施業計画であったが、今このタイミングで森林経営計画へ移行しなければならない事は、全森林経営者にとって、重荷となっていることは間違いない。しかし、真正面から森林経営計画に取り組むことが、責任ある山づくりの根幹となり、次代への大きな財産となることは間違いない。愚直に森林経営計画作成に取り組むことが利となる事が、経営計画を作成するために一ヶ月半という月日を掛けた当家の偽らざる実感である。