一般社団法人 岐阜県林業経営者協会

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2012年10月号

木と共に思い出を刻む                  國井重宏のぼやき

自社山林活用の意義

 従来、建売分譲住宅を経営の柱として展開してきた我社。しかしながら、昨今東京資本のパワービルダーが岐阜地区にも進出してきたことにより、同一商圏における建売市場が激化した。パワービルダーの資本力を背景としたスケールメリットに支えられたローコスト住宅は、35歳前後を中心としたユーザーにとっては魅力あるものとして認知されている。更には大都市型のハイセンスなプロポーザル・ツールにより、より一層満足感を与える販売戦略となっている。

 そのような現状を考え、地元に根付いたハウスメーカーとしてまずは日当たりの良い建築条件付土地分譲の戦略を取った。しかしユーザーに対するプロポーザルもさることながら、絶対的な他社との差別化を考えると家の個性を何かに求め、ユーザーが十分満足できる受注力の強化をこれからの販売戦略の軸としなければならないと悟った。

 

昨年択伐により構造材に用いられた森林
昨年択伐により構造材に用いられた森林

 幸い我社には戦前から所有する山林があり、そこで育てられたスギ・ヒノキが半世紀以上の時を経て今、建築材として用いることが可能となっている。

 「育林・プレカット・住宅の設計施工監理・アフターメンテナンス」。正に住宅の川上から川下までの流れを我社だけでまかなえることこそ、地元に根差したオンリーワンのハウスメーカーの証であり、この流れを確立することが個性となると考えた。

 一方これまで社内では、一軒の家づくりにおいて川上から川下までのいくつかの工程が同一線上に存在していることへの理解が希薄であった。それによりお客様と共に「家をつくりあげる」べきところが、いつの間にか「家を売ること」になってしまっていた。自社山林の活用はそんな社内の現状を同一線上でつなぎ合わせる救世主となると考えた。

 

お客様が体感する満足度

   お客様による伐採現場の見学
   お客様による伐採現場の見学

 我が家の柱に用いる木が、大空に向かい凛としてそこにある。そしてその木が伐採されていく様を実際に見てもらうことにより、正に我が家の家づくりの始まりを我社のスタッフと共に共有することができる。それこそがお客様に我社の建てた家に末永く愛着を持って頂くことであり、私達も永いお付き合いをさせて頂く原点となる。

 その為にも受け継いできた森林を循環可能な資源と考え、林業経営には将来がないがごとくささやかれる今日において、我々はこれからの林業というものがどうあるべきかを考えていかなければならないのである。

 更に計画的かつ安定的に木材を供給していくことで、我社の家づくりを支持して下さるお客様に対し前述した感動と愛着を提供しなければならないのである。

 

大いなる自然の恵みに感謝して

     大いなる自然の証
     大いなる自然の証

 日本には春夏秋冬がある。四季折々と言う言葉があるように自然の原点である森林はその季節の中で違った顔を見せてくれる。

 樹木には年輪がある。それははっきりとした季節の変わり目がある我が国の風土が生み出した軌跡である。永きに亘る時間の積み重ねが年輪という形となって時の流れを私達に伝えてくれる。正に自然の恵みを享受して、家族・家庭というひとつのユニットが家という空間において団らんのひとときを過ごすことができるのである。

 100年後、日本の住宅文化はまだまだ変化・進化をし続けるだろう。このような状況になっても私達は自然の恵みを忘れることなく、住む人の便利さ、快適さを求め続けていきたい。そしてその家に住む家族の皆さんが年輪と同じように多くの思い出をクニロクホームの家に重ねて欲しい。