一般社団法人 岐阜県林業経営者協会

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2014年3月号

あれから一年                        寺田啓起のぼやき

 

一年ぶりに再び「ぼやき」を書くことになり、前回の自分の「ぼやき」を読み直してみた。あの時私は「寺田家山林のこれからを考える」をテーマに、これまでの“誰かが何とかしてくれる”といった甘えた考えを正し、“これからは自らの考えを持って当家の山林経営をしていきたい”という想いを綴った。

昨年「森林施業計画」から「森林経営計画」への移行のため、その作成を手掛けた。しかしながら、これまで山林管理については、父に任せっきりだったため場所、現状等を全く把握しておらず、向う30年間を見越した経営計画を作成する事は困難を極めた。そこで、この30年余り寺田家山林の資源蓄積量の増加と相続税対策に奔走してきた父の経験が大きな手助けとなった。林班ごとの樹種、林齢、施業履歴、作業道の配置等、ほとんどの情報が頭に入っていた。常に先を見据え、私との山に対する思い入れの強さ、経験値の差を思い知らされた。今思えば、何も知らない、何も把握していない私が「森林経営計画」を作成し、寺田家山林の経営の中心を担うことなどおこがましい話であった。

林業を取巻く環境が厳しいといわれるようになって長い年月が経った。そんな状況下でも周りを見ると「人」「物」「金」をうまく回しながら盤石な経営をしている専業林家もいる。所有者から事業者へシフトした国の施策、国費・県費が毎年乱高下する財政等、父が関わってきた林業業界とは大きく変化した今、従来の経営スタイルからの脱皮なくして林業経営の明日はないと危機感を募らせている。

この先、山林経営をする者として第一に自分が進みたい道筋を明確にしなければならない。それに伴い時間軸を基準とした具体的な施業の計画を立てたい。そのために今の組合職員という立場を保ちながらも、山林所有者として現状の把握のために多くの時間を費やしていこうと思う。

これからは林業の古きよき時代を経験してきた父とは違った経営スタイルになるであろう。多くの知識を吸収し経験を積み重ね、時代に沿った新たな経営手法を実践することで、寺田家山林を守ると共に、父を超えて行きたい。