一般社団法人 岐阜県林業経営者協会

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2014年2月号

林業経営者として思うこと                長屋一昭のぼやき

林業とのつながり

      拡大造林による7年生ヒノキ造林地
      拡大造林による7年生ヒノキ造林地

 私が会社を立ち上げたのが平成15年の7月。高校を卒業後森林組合に入社し管理部門で20年ほど勤めてきた後であり、その頃市町村の合併や森林組合の合併が全国的に進められていた。私が住む地域も平成17年には市町村合併が決定され、森林組合も武儀郡・関市、美濃市を含む2市5町村が合併する事が決まりつつあるときに、この板取地域の山を整備したいという思いがあり組合を退職し会社を立ち上げたのであった。

 立ち上げ当時は、50代1人、60代4人の5人で高齢ではあるが即戦力の森林技術員の力を借り、民間事業体や森林組合の仕事をこなしながら、森林総合研究所(旧森林開発公団)の分収造林事業や官公庁などの仕事を受注してきた。しかし昨今は森林技術者の高齢化が進み、平成17年から若い技術者を雇用しても2年から3年で彼らは辞めてしまい定着しない現状が続いている。

 

なぜ定着しないのか

 平成20年から林業事業体への就業が一気に加速し、多くの事業体が新規森林技術者を雇用してきたと思うが、なかなか定着しないのが現状ではないか?緑の雇用・木こり塾・人材育成加速化事業等様々な助成事業を採択しながら技術者に10以上の資格免許を取得させ、又労働力を軽減するために機械化し、経費のコストを下げる為に努力してきたが、木材価格は100ドル/㎥ 時代になってしまった。

 若い社員に林業界の現状や事業の展望など情報提供をしても、林業には将来はあるの?今後木材価格は上がるの?給料は上がるの?と言った質問がたくさんでてくる。この道でメシを食っていくという、“真剣さ”や“プロを目指す心構え・信念”が大切なのだが・・・。

 

これからの人材育成と会社

   森林経営計画を樹立し、施工した40年生ヒノキ間伐林
   森林経営計画を樹立し、施工した40年生ヒノキ間伐林

 何でも要求し言いっぱなしが現場部門、何でも抑えようとするのが管理部門、それではなかなか溝は埋まらない。お互いに「何を言ってもダメだ」という状況になる前に「現場部門がきちんと働いてくれるから、管理部門もきちんと経営が出来る」「管理部門が仕事を取ってきてくれるから、現場部門も仕事ができ、生活が出来る」と言った相互に尊重しあえるような関係を創っていきたい。

 今後著しく変化する制度事業に対応しながら造林・保育型から林産事業も含めて将来を見据えた森林の整備を進めると共に、林業の将来を託せる人材の育成に取り組み、林業を通じて地域に貢献できる会社として成長していきたい。